消防法燃焼性
消防法に位置付けられた「防炎規制」において、ホテルや駅ビルなどの高層建築物、地下街及び不特定多数の人が出入りする場所では、防炎性能を持つ防炎物品の使用が義務付けられています。
ここでは、消防法に基づく防炎性能の評価のための燃焼試験について紹介します。

消防法に位置付けられた「防炎規制」において、ホテルや駅ビルなどの高層建築物、地下街及び不特定多数の人が出入りする場所では、防炎性能を持つ防炎物品の使用が義務付けられています。
ここでは、消防法に基づく防炎性能の評価のための燃焼試験について紹介します。
<消防法における防炎物品とは>
昭和43年から消防法に位置付けられた「防炎規制」において、ホテルや駅ビルなどの高層建築物、地下街及び不特定多数の人が出入りする場所では、防炎性能を持つ防炎物品の使用が義務付けられています。防炎物品の具体的な製品の品目としてはカーテン、じゅうたん、布製のブラインド、暗幕などが挙げられます。QTECは、これらの製品に対し消防法施行規則によって定められた試験を行っています。
高層建築物とは、
高さ31mを超える建築物で、およそ11階建て以上の建築物がこれにあたります。
QTECは、
消防法施行規則に基づき消防庁長官の登録を受けた登録機関です。繊維関係試験検査機関のなかで、唯一この登録を受けています。
<試験の目的>
カーテン、布製ブラインド、じゅうたん等、消防法で指定された品目の防炎性能の評価
防炎とは、
「燃えにくい」性質のことで、繊維などの燃えやすい性質を改良して防炎の性能を付与することによって、小さな火に接しても炎が当たった部分が焦げるだけで容易には着火しない。もしくは、着火しても自己消火することによって燃え広がらなくなる性質のことをいい、この防炎の性能を調べる試験が燃焼試験です。
<試験の概要>
<45°ミクロバーナー法 及び 45°メッケルバーナー法>
試験片を45°の角度で燃焼試験箱に取り付け、ミクロバーナー 法では1分間、メッケルバーナー法では2分間中央下部から加熱し、残炎時間※1、残じん時間※2及び燃焼面積を測定します。
※1 残炎時間 :加熱終了後、試験片から炎が発生し続ける時間
※2 残じん時間:加熱終了後、試験片の赤熱が持続する時間
試験機 ミクロバーナー、メッケルバーナー使用 |
試験状況 | 燃えている様子 |
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<45°エアーミックスバーナー法>
試験片を45°の角度で燃焼試験箱に取り付け、試験片の表面から1mm離して30秒間加熱します。
その後、残炎時間と燃焼長さを測定します。
試験機 エアーミックスバーナー使用 |
試験状況 |
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<コイル法>
試験片、巾10㎝1gを直径10mmの試験片支持コイル内に入れ、そのコイルを45°の角度で燃焼試験箱に取り付け、試験片の下端から順番に燃焼させます。
このとき試験片が溶融し燃焼を停止するまで加熱します。試験片の下端から90mmの部分が溶融し尽くすまでこの操作を繰り返し、炎を接触させた回数(接炎回数)を記録します。
試験機 試験片支持コイル使用 |
試験状況 |
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<耐洗濯性能について>
防炎物品の中でも通常洗濯が可能なもの(カーテン及び暗幕)に関しては耐洗濯性能も施行規則に規定されており、水洗い及び/又はドライクリーニングをそれぞれ5回行った後に試験を行い、判定基準に合格しなければなりません。
<判定基準について>
<表1 カーテン及び布製ブラインドなどの試験方法及び判定基準>
確認物品 | 試験方法 | 判定基準 | |||
薄手布 450g/㎡ 以下のもの |
45°ミクロ バーナー法 |
着炎しないもの | 1分間 加熱 |
残炎時間 残じん時間 炭化面積 |
3秒以内 5秒以内 30㎠以下 |
※着炎したもの | 着炎後 3秒加熱 |
残炎時間 残じん時間 炭化面積 |
3秒以内 5秒以内 30㎠以下 |
||
※炎を接した場合に溶融するもの |
5%たるませ法 | 炭化距離 | 20㎝以下 | ||
厚手布 を超えるもの |
45°メッケル バーナー法 |
着炎しないもの | 2分間 加熱 |
残炎時間 残じん時間 炭化面積 |
5秒以内 20秒以内 40㎠以下 |
※着炎したもの | 着炎後 6秒加熱 |
残炎時間 残じん時間 炭化面積 |
5秒以内 20秒以内 40㎠以下 |
||
※炎を接した場合に溶融するもの | 5%たるませ法 | 残炎時間 残じん時間 炭化面積 |
20㎝以下 | ||
炎を接した場合に 溶融するもの |
コイル法 | 最小 接炎回数 |
3回以上 |
※印は、 1分間(2分間)加熱試験時の観察により追加する試験。
<表2 じゅうたん等の試験方法及び判定基準>
品目 | 試験方法 | 判定基準 | |
残炎時間 | 最大炭化長 | ||
じゅうたん等 | 45°エアーミックスバーナー法 | 20秒以下 | 10cm以下 |
<表3 展示用の合板>
品目 | 試験方法 | 判定基準 | ||
残炎時間 | 最大炭化長 | 炭化面積 | ||
合板 | 45°メッケルバーナー法 | 20秒以下 | 10cm以下 | 50㎠以下 |
<試験片のサイズ>
カーテン等 :4.5㎡(耐洗濯性含む)
じゅうたん等:22cm×40cm×6枚
合板 :29cm×19cm×3体
<納期目安>
試験体到着より5営業日程度
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