概要
鞄の持ち手やショルダーベルトの取付部分やバックルなどの樹脂パーツの強度が不足していると、使用時の様々な負荷によって持ち手やショルダーベルトが抜けたり、破断してしまい、中に入れた荷物が落下し壊れてしまう可能性があります。
そのような事故を未然に防ぐため、持ち手やショルダーベルトの強度を確認する試験が「把手・肩ひもの取付強度試験(把手強さ)」になります。また、本試験には鞄の使用時に力が加わる方向に持ち手やショルダーベルトを引っ張る「順手法」と力が加わる方向と反対方向に引っ張る「逆手法」があります。
(QTECでは原則、順手法で試験を実施しております。)
試験方法
持ち手やショルダーベルトの取付部分を中心に引張試験機で引っ張り、取付の縫製部やバックルなどの樹脂パーツなどが破損する時の強度を測定します。
- 鞄の容積を測定します。
- 鞄の持ち手の取付部分を中心として、本体部分と持ち手部分を切り出し試料を作成します。
- 本体部分を引張試験機の下のつかみで、持ち手部分を上のつかみで固定します。
- 固定した試料を100mm/minの速度で引張し、試料が破損するときの強度を測定します。また、試料の破損状況も記録します。
把手の破断
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 |
---|---|---|
把手強さ | JIS L 1096 A法準用 | 346N (縫糸の切断)※ |
※( )内は試料が破損した時の状況になります。
QTEC基準
下表はQTEC基準です。
QTEC基準 | ||
---|---|---|
項目 | 試験方法 | 基準値 |
把手強さ | JIS L 1096 A法準用 | 容積20 ℓ未満:「容積×10N」以上 容積20 ℓ以上: 300N以上 スーツケース・キャリーケース等のハンドル・キャリーバー:600N以上 |
その他特記事項
必要試料数:鞄1個