臭気

羽毛の臭気試験

羽毛原料や羽毛製品の臭気試験は一般的に官能評価が用いられています。日本羽毛製品協同組合(日羽協)の臭気試験は、標準状態に調整した後の試料を5人の検査員で臭いをかぎ、3人以上が悪臭を感じた場合に不合格とします。
QTEC試験方法では、臭気審査を受けた検査員5名により、下表のような臭いの「強度」と「快・不快」の評価内容で各等級を求め、においの官能値の平均を算出します。
 強度の内容 等級
 無臭 0
やっと感知できる程度 1
弱くにおう 2
らくに感知できる 3
強いにおい 4
強烈なにおい 5
快・不快度の内容 等級
快でも不快でもない  0
やや不快 -1
不快 -2
非常に不快 -3
極端に不快 -4

羽毛製品の臭いの主な原因

羽毛製品の臭い発生には下図に示すような種々の要因があり、これらが複合的に影響し合い異臭となって発生します。
羽毛原料は、飼育時に付着した土砂、塵埃及び脂肪分や雑菌などを洗浄し、高温乾燥による殺菌処理後、再び冷却除塵された衛生的な精製羽毛が用いられます。これらの洗浄工程が不十分な羽毛は臭いが発生しやすくなります。

羽毛製品の清浄性と品質管理

羽毛の清浄性はJIS L-1903で清浄度、酸素計数、油脂分率を評価します。清浄度はホコリや臭いの発生原因となる残留土砂や塵埃などを調べます。酸素計数は臭いの発生原因となる微生物などの有機物残留量を調べます。油脂分率は臭いや生地へのシミだし発生原因となる残留油脂分を調べます。それぞれの品質については、日本羽毛製品協同組合(日羽協)が定めた基準値があります。

水鳥の飼育環境も臭いに影響します。飼育期間の短い未熟羽毛はフェザーの羽軸に成長成分が残り、それが特有の臭いを持ち、フェザー率が多いほど臭いを発生しやすくなります。また、飼育中の餌や水質も臭いに影響するといわれています。
羽毛は吸湿性があり、特に洗濯後などに乾燥不十分な状態で保管すると、羽毛の腐敗が起こり異臭を発生しやすくなります。
羽毛の品質に問題は無くても側生地の影響で異臭を発生する場合があります。側生地に染料や加工助剤などが残留し、保管状況などで通常の羽毛臭と複合して異臭となります。
臭気試験は一般的に人間の官能によって評価します。臭気の度合いは環境によって変化するため、よく訓練された検査員による評価が必要です。

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