羽毛製品には、ダウンジャケットの様な「衣料品」、羽毛布団・シュラフや枕の様な「寝装品」が主な製品として該当します。
フェザーでは、アクセサリーの一部、バトミントンのシャトル、はたき等にも使用されますが、ここではダウン製品について説明します。

アイテム詳細

まず、羽毛の優れた性質をご紹介いたします。

1.かさ高性 羽毛は比重が軽く、ダウンは細い繊維(約6㎛)が多数集合してタンポポのようにボール状にふんわりし、かさ高性に優れます。
2.吸放湿性 羽毛は約13%の水分率を持ち、保湿性に優れ、更に繊維が細かく表面積が大きい為吸放湿が迅速に行われます。
3.天然繊維 羽毛はグース又はダック等の水鳥から採取される再生可能な動物性繊維です。
4.圧縮回復性 羽毛は柔軟で弾力性に富み、曲げや捻じれ等に強く、衣料の充填物としても圧縮回復性に優れます。
5.保温性 羽毛は熱伝導率が小さく、更にダウンがボール状の為、含気率が高く、熱を遮断し、保温性が良く断熱性を向上しています。

  

求められる品質

そんな万能に思える羽毛でも以下の事に注意して品質管理をしなければ良い製品とはなりません。

1.適正な組成表示と混合率

1)羽毛製品の組成表示はダウン/フェザー率を正しく把握し、家庭用品品質表示法の繊維製品品質表示規定に則った表示が必要です。

2)ファイバー率が多いと、「縫目や生地からの吹き出しが増える」、「かさ高性が悪くなる」などの恐れがある為、管理が必要です。

3)陸鳥フェザーやきょう雑物は羽毛としては不適切なもので、品質に問題のある羽毛には多く含まれている事がある為、管理が必要です。

2.羽毛吹き出しの防止

1)縫製の問題
縫針の損傷、縫針と縫糸の組合せ不適性、パーツの縫合せ不良、ダウンパックの裁目処理不良等があります。

2)側生地の問題
羽毛製品の側生地は高密度織物が用いられ、通気性は小さい値になっていてダウンプルーフ性は十分ありますが、薄地のために羽毛が容易に突き刺さり、生地を通過し易くなります。また、針穴が大きくなりやすい傾向があります。

3)羽毛品質の問題
ファイバー、ネック・未熟フェザーの混入増加の問題で、細いファイバーや、先が尖ったフェザーが縫い目や生地から吹き出したり、生地に突き刺さったりし、吹き出し易くなる事に注意が必要です。

3.臭気発生の防止

1)羽毛の清浄性
羽毛原料の精毛工程の洗浄が不十分な羽毛は臭気が発生し易くなります。

2)羽毛の組成
羽根に鳥の油脂成分が残り易い為、フェザー率が高いほど臭気が発生し易くなります。

3)側生地品質
側生地に染料や加工助剤などが残留し、保管状況などで通常の羽毛臭と複合して臭気が発生し易くなります。

4)製品保管環境
羽毛は吸湿性があるので、濡れた後や洗濯後の乾燥が不十分な状態や、高温多湿の環境で保管すると、微生物の繁殖が盛んになり臭気が発生し易くなります。

5)羽毛の飼育環境
飼育期間の短い未熟羽毛は羽軸に成長栄養成分が残り易く、特有の臭気を発生させます。また、飼育中の餌や水質も成長栄養成分に関係する為、臭気に影響します。

これらの品質を管理する為に我々QTECでは下記の試験をご提供しております。

  

QTEC基準

QTECでは各アイテムに対して、独自に試験項目と基準値を設けております。
詳細はこちらからご確認ください。

※各納入先指定基準での試験・判定も行います

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