概要
羽毛製品は繰り返しの使用で力が加わる事で羽毛が圧縮され、徐々に厚みが減少し、へたってしまう事があります。
この試験は羽毛を圧縮した時の回復性を評価します。
JIS かさ高性試験方法における荷重増加時の圧縮高さと回復高さより、圧縮回復性を求めます。
試験方法
日本羽毛製品協同組合(日羽協)が定めた試験方法JDFA-TM015を引用しています。
- JIS L 1903 のかさ高性測定を行い初期かさ高(mm)を測定します。
(荷重用円盤質量:94.3g) - かさ高測定後、荷重用円盤に分銅を載せ2分経過後、圧縮かさ高(mm)を測定します。
(分銅質量:1000g、荷重総質量:1094.3g) - 分銅と荷重用円盤の荷重を慎重に取り除き4分間解放します。
- 再び荷重用円盤のみゆっくり降下させ、回復かさ高(mm)を測定します。
- 次の式より、圧縮率(%)、回復率(%)、反発率(%)を求めます。
項目 計算式 圧縮率(%) ( 初期かさ高 ー 圧縮かさ高 )/初期かさ高 ✕ 100 回復率(%) 回復かさ高 / 初期かさ高 ✕ 100 反発率(%) 回復かさ高 / 圧縮かさ高 ✕ 100 かさ高性の圧縮回復性の概念図
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 | |
---|---|---|---|
かさ高性の 圧縮回復性 |
初期かさ高 | JDFA TMー015 | 168 mm |
圧縮かさ高 | 39 mm | ||
回復かさ高 | 108 mm | ||
圧縮率 | 76.8 % | ||
回復率 | 64.3 % | ||
反発率 | 276.9 % |
QTEC基準
QTEC基準に設定はありません。比較試験を実施して品質管理を行う事が一般的です。
その他特記事項
- 必要試料量
試験に必要な試料量は羽毛原料の場合50g以上が必要です。製品の場合では、前述の原料量が採取できるように提出してください。これは提出試料をよく混ぜ、偏った状態の試料からサンプリングをしないようにする為です。