組成混合率

JIS L-1903に基づき羽毛の組成内容を確認する試験。

羽毛製品を生産する上で必須の試験項目です。

羽毛の組成表示と組成混合率試験

羽毛製品の組成表示に用いる「ダウン」・「フェザー」(又は「その他の羽毛」)は、組成混合率試験で8種類に選別した成分を下表のように区分して表示します。

家庭用品品質表示法では、上衣類、ふとん等の詰めものの組成を表示するよう定められています。

組成成分 指定用語
ダウン ダウン
スモールフェザー

フェザー

または

その他の羽毛

ラージフェザー
損傷フェザー
陸鳥フェザー
ダウンファイバー
フェザーファイバー
きょう雑物
羽毛製品の充填物として表示されている「ダウン」・「フェザー」の2成分からは、その中身にどの様な形状の羽毛がどれくらい含まれているのか分かりません。その為、適正な充填物の管理を行うために、組成混合率試験で得られる8種類の成分比率を調べ管理することが大切です。

組成混合率の成分について

ダウン

水鳥羽毛のうち、タンポポの綿毛のようなふわふわとした形状の成分がダウンです。ダウンの中にもいろいろな形状があり、羽枝が数本しかないダウン、未成熟なダウンなどは低い品質のダウンになります。

ダウン
類似ダウン(フェザーであるが性能はダウンに類似
羽枝が2本以上あるダウン
未熟ダウン

ファイバー

ダウンやフェザーの羽軸から羽枝が分離して、1本になった状態がファイバーです。

ファイバーにはダウンファイバー、フェザーファイバー、陸鳥ファイバー*があります。

混入率が多いとかさ高が低くなり、縫製時に縫糸と絡まって吹出したり、側生地に突き刺さったり、

針穴など小さな隙間から吹出しやすくなります。

*陸鳥ファイバーはJIS L-1903においては、ダウンファイバーとして分類します。

ダウンファイバー
フェザーファイバー
陸鳥ファイバー

スモールフェザー

スモールフェザーは6.5cm未満の小さいフェザーを示します。

一般的に枕の詰めものなどに用いられます。その中のネックフェザー(鳥の首部分の羽根)は、細長い形状をしており、吹出しやすい性質があります。また未熟フェザーは、元羽軸が破損しやすく、外皮部が取れると先の尖ったフェザーとなり、側生地に突き刺さり吹出しやすくなります。

吹き出しやすいネックフェザー(赤囲み)
スモールフェザー(長さ6.5cm未満のフェザー)
先端部が破損しやすく先が尖って吹き出しやすい(赤囲み部分)
未熟フェザー

ラージフェザー

ラージフェザーは6.5cm以上の大きめなフェザーを示します。

硬くてかさ高性が低いものも含まれるため、ふとんやダウンジャケットの詰めものには適しません。

ラージフェザー(長さ6.5cm以上のフェザー)

「損傷フェザー」「きょう雑物」「陸鳥フェザー」

その他の成分として、虫害や引裂きなどによって損傷したフェザー、羽毛採取時に混入した鳥の皮などのきょう雑物、陸鳥のフェザーなどがあります。これらは通常の羽毛原料には少量しか含まれていませんが、品質に問題のある羽毛には多く含まれていることがあります。

損傷フェザー
きょう雑物
陸鳥フェザー

組成混合率試験について

試験方法:JIS L-1903-2017 羽毛を2段階の選別で8種類の成分に選別します。

試料量:約3gを2個採取します。

1次選別として、試験試料をスモールフェザー、ラージフェザー、損傷フェザー、陸鳥フェザー及びきょう雑物並びにダウン及びファイバー(ダウンファイバー及びフェザーファイバー)に選別します。(各種フェザーは元羽軸をピンセットで挟み、親指と人差指の腹で軽くブラッシングして、ダウン又はファイバーを取り除きます。)

2次選別として、1次で選別したダウン及びファイバーに選別したものを均一に混合した後、その上層、中層、及び下層からランダムに 0.2gの試験試料を採取します。なお、ダウン及びファイバーに選別したものが0.2gに満たない場合には、その全部を2次選別の試験試料とします。ダウンを1個ずつピンセットで挟み、軽く4~5回振り、ダウンファイバーを落とし、ダウンに突き刺さったり、絡まっているフェザーファイバーを注意深く1本ずつ抜き取り、それぞれ分けてに選別します。選別終了後、それぞれの成分の質量を求め2個の平均値で試験結果を算出します。(小数点以下1桁に丸めます。)ただし、試験試料の2個のダウン混合率に3%以上の差があった場合には、さらに2個の試験を行い、4個の平均値を求めます。

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