概要
濃色の衣類と白物の衣類を一緒に洗濯機で洗ったときに白物へ色が移ってしまったり、何度も着用、洗濯を繰り返していると、だんだんと色が褪せてきてしまったといった経験があると思います。
このような、洗濯を原因とした色移りや色褪せに対する堅ろう性を確認する方法として、洗濯堅ろう度試験があります。
試験方法はA法からE法までありますが、主にA-2号が用いられます。
毛、絹、アセテート等のデリケートな素材では、A-1号が用いられます。
また、各社基準によって使用する洗剤が異なりますが、マルセル石けんや合成洗剤の使用が一般的です。
試験方法
洗濯試験機
- 試験片に単一繊維布の添付白布2枚か、多繊交織布の添付白布1枚を縫い付けて、複合試験片を作成します。
- 洗濯試験機の試験瓶に試験液を入れ、規定の温度にした後、複合試験片を入れます。
- 試験瓶を洗濯試験機に取り付けて、指定時間操作します。
- 試験瓶から試験片を取り出し、水洗いした後に脱水・乾燥します。
- グレースケールを用いて級数を判定します。
| 試験方法 | 試験液 | 温度 | 操作時間 | |
|---|---|---|---|---|
| 石けん | 液 | |||
| A-1号 | 5g/L | 100ml | 40±2℃ | 30分 |
| A-2号 | 50±2℃ | 30分 | ||
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
| 試験項目 | 試験方法 | 試験結果 | |
|---|---|---|---|
| 洗濯 | JIS L 0844 A-2号 | 変退色 | 4級 |
| 汚染 | 4級 | ||
QTEC基準
下表はＱＴＥＣ基準（抜粋）です。
| QTEC基準 ジャケット、コート類 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 試験項目 | 試験方法 | 試験結果 | 備考 | |
| 洗濯 | JIS L 0844 A-2号 | 変退色 | 4級以上 | ( )内は、濃淡組合せ品に適用 |
| 汚染 | 3（4）級以上 | |||
| QTEC基準 デニム | |||
|---|---|---|---|
| 試験項目 | 試験方法 | 試験結果 | |
| 洗濯 | JIS L 0844 A-2号 | 変退色 | 3-4級以上 |
| 汚染 | 2-3級以上 | ||
その他特記事項
必要試料サイズ：10㎝×10㎝
