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生地の遮熱性試験方法(JIS L 1951)

概要

生地の遮熱性とは、生地が日射の熱を遮ることによって温度上昇を抑制する性能のことです。陽射しによる暑さを感じやすい場面での需要が高く、スポーツウェアや日傘、カーテンなどに求められます。

生地表面の反射効果を高める加工により、生地を透過する熱線または生地の輻射熱を抑える効果が期待できます。

この生地の遮熱性試験方法では、太陽光を模擬した人工太陽照明灯による照射を行い、生地の背面に設置した熱線受光体の温度を測定することで、生地の遮熱性能を評価します。

試験方法

  1. 約90㎜×90㎜の試験片を4枚採取します。
  2. 試験片をしわが生じないように試験片ホルダに取り付けます。
  3. 熱線受光体が完全に覆われるように熱線受光体上のスペーサー上に試験片ホルダを設置します。
    また試験台の4か所の受熱体のうち少なくとも1か所は、試験片ホルダのみ(試験片無し)を取り付けたブランク試験とし、試験片と同時測定します。
  4. 光照射前の受熱体裏面の初期温度と光を照射して、30分間後の受熱体裏面の温度をサーモグラフィで測定します。
  5. 新しい試験片を用いて4か所の受熱体全てで測定されるよう繰り返し試験します。
  6. 試験結果は試験片、ブランク共に4か所の結果を平均し次の式によって遮熱率を求めます。

遮熱率S=[(ΔTbΔTs)Tb×100(%)  
ΔTsTs30aveTs0ave…試料の平均上昇温度(℃)
ΔTbTb30aveTb0ave…ブランク試験の平均上昇温度(℃)
Ts0ave:試料の平均初期温度(℃)
Ts30ave:試料の平均到達温度(℃)
Tb0ave:ブランク試験の平均初期温度(℃)
Tb30ave:ブランク試験の平均到達温度(℃)

 

試験装置図

試験結果サンプル

試験結果の例

加工品 未加工品
遮熱率(%) 59 39
区分記号 S55 S35
遮熱率 65%以上 55%以上
65%未満
45%以上
55%未満
35%以上
45%未満
25%以上
35%未満
15%以上
25%未満
15%未満
区分記号 S65+ S55 S45 S35 S25 S15 S15

数値が大きいほど良い結果です、基準値は各社納入先様により異なります。
結果は加工品、未加工品との差で評価することもあります。

QTEC基準

下表はQTEC基準です。

QTEC基準
試験項目 基準値
生地の遮熱性試験 加工品が未加工品より2%以上高いこと
遮熱率表示がある場合は、表示値以上

その他特記事項

試料必要量:A4サイズ以上

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