概要
カーテンの遮熱性(断熱性)試験及び保温性試験は、部屋と窓を想定した模擬的な装置を用いて、カーテンが室内の温度変化を軽減する効果を評価する試験方法です。
カーテンはお部屋の雰囲気作りにも重要ですが、日差しの軽減やプライバシーの保護など様々な役割(機能性)を持つインテリアです。中でも、夏季には日射熱を軽減することで室温の上昇を抑制する「遮熱性(断熱性)」や、冬季には窓ガラスを介した室温の低下を軽減する「保温性」は、消費者の関心が高い機能性の一つです。近年では省エネ志向の高まりや光熱費の高騰などから、より注目されている機能性のひとつです。
試験方法
- カーテンの遮熱性(断熱性):赤外ランプ60℃法
1)下図の装置に試験片を取り付け、ガラス面より約50cm離れたところに赤外ランプを設置し、内部に設置したブラックパネル及び温度センサーを設置します。2)赤外ランプを60分間照射し、5分毎にブラックパネル温度及び試験槽内温度を測定します(試験片試験)。
3)測定は、試験片を取り付けない場合(空試験)も実施し、下記の式により断熱効果率 を算出します。上昇温度とは、初期温度からどれだけ温度が上昇したかを表す値です。断熱効果率(%)=(空試験の最大上昇温度― 試験片試験の最大上昇温度)/空試験の最大上昇温度×100
- カーテンの保温性:冷気法
1)下図の装置に試験片を取り付け、冷気槽を60分間冷却します。2)冷気槽の冷却開始後、試験槽内の温度を5分毎に測定します。
3)測定は、試験片を取り付けない場合(空試験)も実施し、下記の式により保温効果率を算出します。下降温度とは、初期温度からどれだけ温度が下降したかを表す値です。保温効果率(%)=(空試験の最大下降温度― 試験片試験の最大下降温度)/空試験の最大下降温度×100
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
- カーテンの遮熱性(断熱性):赤外ランプ60℃法
断熱効果率(%) 試料A 28.3 試料B 41.5 試料Bの方が遮熱性(断熱性)に優れていることを示す結果です。
- カーテンの保温性:冷気法
断熱効果率(%) 試料A 14.5 試料B 26.7 試料Bの方が保温性に優れていることを示す結果です。
その他特記事項
- 必要試料量:各試験共に約60×60cm
- カーテン以外にもロールスクリーンやブラインド用素材にも適用可能です。
また、サンシェード等の屋外設置を想定した条件も設定可能です。