概要
洗濯後の衣類の乾きやすさや、衣類についた汗の乾きやすさを評価します。
速乾性の試験方法は主に3種類あります。
3種類とも試料に水を滴下した後、乾燥するまでの質量を測りますが、滴下量や生地の大きさが異なります。
試験の種類 | 試験結果の単位 | 試料サイズ | 水の滴下量 |
---|---|---|---|
吊り下げ法 (ISO 17617 A-1法) |
分 | 200㎜×200㎜ | 0.3ml |
上皿法 (ISO 17617 A-2法) |
分 | 100㎜×100㎜ | 0.08ml |
拡散性残留水分率 | 分 | 100㎜×100㎜ | 0.6ml |
また、吸水性試験とあわせて行うことで、汗を吸いやすく乾きやすいことを評価する吸水速乾性(吸汗速乾性)を測ることができます。
試験方法
ISO 17617 A-1法
試験方法
- 200㎜×200㎜の試験片を3枚採取します。
- 吊り下げた試験片に水を0.3ml滴下したのち5分毎の重量を測定し、残留水分率を測定します。
- 残留水分率が10%以下に至るまで測定を続けます。但し、60分経過しても10%に至らない場合は試験を終了します。
残留水分率(%)=(各時間の水分量(g))/(滴下直後の水分量(g))×100
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 |
---|---|---|
速乾性 | ISO 17617 A-1法 | 60分 |
QTEC基準
下表はQTEC基準です。
QTEC基準 | ||||
---|---|---|---|---|
項目 | 試験方法 | 基準値 | ||
速乾性 | ISO 17617 A-1法 | 織地 | セルロース系100% | 80分以下 |
合成繊維100% | 70分以下 | |||
編地 | セルロース系100% | 85分以下 | ||
合成繊維100% | 75分以下 |
その他特記事項
必要試料サイズ:50㎝×50㎝
ISO 17617 A-2法
試験方法
- 100㎜×100㎜の試験片を3枚採取します。
- 吊り下げた試験片に水を0.08ml滴下したのち5分毎の重量を測定し、残留水分率を測定します。
- 残留水分率が10%以下に至るまで測定を続けます。但し、60分経過しても10%に至らない場合は試験を終了します。
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 |
---|---|---|
速乾性 | ISO 17617 A-2法 | 60分 |
QTEC基準
下表はQTEC基準です。
QTEC基準 | ||||
---|---|---|---|---|
項目 | 試験方法 | 基準値 | ||
速乾性 | ISO 17617 A-2法 | 織地 | セルロース系100% | 40分以下 |
合成繊維100% | 30分以下 | |||
編地 | セルロース系100% | 45分以下 | ||
合成繊維100% | 35分以下 |
その他特記事項
必要試料サイズ:50㎝×50㎝
拡散性残留水分率
試験方法
- 100㎜×100㎜の試験片を3枚採取します。
- 吊り下げた試料に水を0.6ml滴下したのち5分毎の重量を測定し、残留水分率を算出します。
残留水分率(%)=(各時間の水分量(g))/(滴下直後の水分量(g))×100 - 残留水分率が10%以下に至った時点で試験を終えます。
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 |
---|---|---|
速乾性 | 拡散性残留水分率 | 50分 |
QTEC基準
下表はQTEC基準です。
QTEC基準 | ||||
---|---|---|---|---|
項目 | 試験方法 | 基準値 | ||
速乾性 | 拡散性残留水分率 | 織地 | セルロース系100% | 65分以下 |
合成繊維100% | 45分以下 | |||
編地 | セルロース系100% | 75分以下 | ||
合成繊維100% | 55分以下 |
その他特記事項
必要試料サイズ:50㎝×50㎝