概要
寝具や肌着などで目にする「接触冷感性」を評価する試験法です。
接触冷感とは、生地に触れた時にひんやり冷たく感じる感覚をいいます。
これは、皮膚の熱が生地へ伝わる(皮膚の熱を生地が奪う)ことにより、皮膚の温度が低下した為に冷たく感じるという原理です。
接触冷感性試験では、一定の温度に加熱した熱板を生地に接触させた際の瞬間的な熱の移動量を測定することで、生地に触れた時の冷たさを評価出来ます。
試験方法
接触冷感性試験機
- 150㎜×150㎜の試験片を5枚採取します。
- 熱源板を室温より10℃高い温度に設定します。
- 室温に調整した試験片を測定台の上に設置します。
- 熱源板への熱供給を止め、測定部と試験片とを圧力1.02kPaで接触させます。
接触冷感性試験機 - 接触初期の熱源板の温度を、5秒間測定します。
- 測定した結果から熱流束を算出し、測定時間内の極大値(q-max)を求めます。
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 |
---|---|---|
接触冷感性 | JIS L 1927 | 0.130W/㎠ |
QTEC基準
下表はQTEC基準です。
q-maxの数値が大きいほど触れた時に冷たく感じます。
QTEC基準 | ||
---|---|---|
項目 | 試験方法 | 基準値 |
接触冷感性 | JIS L 1927 | q-max≧0.1(⊿T:10℃) q-max≧0.2(⊿T:20℃*) |
*熱源板を室温より20℃高い温度で試験した場合
その他特記事項
必要試料サイズ:30㎝×50㎝
接触冷感性は、物体の熱物性と表面形状(肌との接触面積)に大きく影響します。
熱伝導率が高く、肌との接触面積が大きい形状であるほど、冷たく感じます。
逆に、熱伝導率が低く、肌との接触面積が小さいほど、温かく感じます。