概要
防透け性試験は、生地の透けにくさを評価する試験方法です。
着衣において、肌着の色などが透ける現象は望ましくない事が多く、透けにくい繊維製品は水着、ブラウス、ユニフォーム、婦人ボトムなどの様々なアイテムに展開されています。
試験方法は2種類あり、目視判定によるA法(視感法)と計測機器を用いるB法(計器法)があります。
試験方法
- A法:視感法
試験片をバッキング(白及び黒のプレート)の上に置き、視感によって白黒のコントラスト差を評価用グレースケールと比較して等級付けします。 - B法:計器法
試験片をバッキングの上に置き、分光測光器を用いてそれぞれの明度(L*)を測定し、その比によって防透け指数を算出します。
防透け指数={黒バッキングにおける試験片の明度÷白バッキングにおける試験片の明度}×100
(図1)バッキング
(図2)透けやすい生地
(図3)透けにくい生地
試験結果サンプル
下表は判定基準の例です。(JIS L 1923 附属書A(参考)より)
試験方法 | 防透け性 | |
---|---|---|
S | A | |
A法(視感法)の等級 | 4.5 等級以上 | 3.5 等級以上 4.5 等級未満 |
B法(計器法)の指数 | 97.0 以上 | 93.0 以上 97.0 未満 |
A法の等級、B法の指数共に数値が大きいほど透けにくいことを示します。
その他特記事項
・必要試料量:A4サイズ
・通常は乾燥状態の試験片で試験を行いますが、用途によっては湿潤状態で行うことも可能です。
・「A法(視感法)」に比べて「B法(計器法)」の方が検体間の差異を検出しやすい特徴があります。