概要
引張強さ(N)とは、生地をたて方向、またはよこ方向に引張り、生地が切断する際の強度を指します。主に織地の強度を測定する試験方法です。
数値が大きいほど強度が高いと言えます。
織地は編地に比べ伸びが少なく、着用時の運動による生地への負荷を分散しづらい特性を持っています。
引張強度不足の場合、ひじ、ひざなど、着用時負荷がかかる部分に破れが発生する恐れがあります。
試験方法
A法(ストリップ法、定速伸長形)を紹介します。オートグラフという試験機を使用します。
オートグラフ試験機
- 織物の場合、試料を3枚採取し、幅の両側からほぼ同数の糸を取り除いて所定の幅にします。編物の場合は5枚採取します。
試料幅が5㎝になるように調製
- 引張試験機で試料をつかみ、一定の引張速度で引っ張ります。
- 切断時の強さ(N)を測定します。
- 試験結果は、織物の場合はたて方向及びよこ方向それぞれ3回の平均値を算出し、編物の場合はウェール方向及びコース方向に5回の平均値を算出します。
試験実施風景
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
項目 | 試験方法 | たて(ウェール) | よこ(コース) |
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引張強さ(N) | JIS L 1096A法(ラベルドストリップ法)5㎝幅 | 718 | 513 |
QTEC基準
下表はQTEC基準(抜粋)です。
QTEC基準 布帛シャツ類 | ||
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項目 | 試験方法 | 基準値 |
引張強さ(N) | JIS L 1096A法(ラベルドストリップ法) | 200N以上 毛混生地、薄地の場合:150N以上 スポーツ衣料の場合:300N以上 |
その他特記事項
必要試料量目安:50cm×50cm