概要
主にタオル製品の毛羽の脱落し易さを評価する試験です。
タオルと他の洗濯物を一緒に洗った際、タオルの毛羽が他の洗濯物についてしまって、外観を損ねたなどの経験はありませんか?
これは、洗濯時の水流や、他の被洗物との摩擦によってタオル生地からパイルや毛羽が脱落することにより発生します。
脱毛率試験は、家庭用洗濯機で実際に製品を洗濯し、排水中に含まれる毛羽を回収して重量を測ることで、どの程度毛羽が落ちるかを定量的に評価する試験方法です。
試験方法
脱毛率試験を紹介します。
JIS L 0217「繊維製品の取扱いに関する表示記号及び素の表示方法」に規定する洗濯方法「103法」で洗濯処理後、JIS L 1930「繊維製品の家庭洗濯試験方法」に規定する乾燥方法「C法 平干し」で乾燥した時、脱落した毛羽の重量(g)を測定します。
- 試験前に洗濯機の洗浄を行い、機械内部、排水管等に繊維屑がないことを確認します。
- 試料の重量を測定します。
- 40℃のお湯に洗剤を投入し、試料を入れます。
- 5分間の洗濯、2分間の脱水を行います。
- 常温の水で2分間すすぎ、2分間脱水します。こちらのすすぎ・脱水操作をもう一度実施します。
- 洗濯機の排水口に装着したネットにたまった毛羽、洗濯機に付いた屑取りネットにたまった毛羽を回収します。
排水パイプに装着するネット
- 回収した毛羽を乾燥させ、重量を測定します。
・脱毛率の計算方法
脱毛率(%)=回収した毛羽重量(g)/試験前の試料の重量(g)×100
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 |
---|---|---|
脱毛率(%) | JIS L 0217準用 | 0.042 |
QTEC基準
下表はQTEC基準です。
QTEC基準 タオル類 | ||
---|---|---|
項目 | 試験方法 | 基準値 |
脱毛率(%) | JIS L 0217 準用 | 0.2%以下 特例: カットパイル製品:0.4%以下 無撚糸製品:0.5%以下 |
その他特記事項
必要試料量目安:生地もしくは製品、重量が500g以上