概要
生地がどの程度空気を通す性能を有しているかを評価する試験です。
通気性は、衣服内環境にとって非常に重要な性能です。
夏物衣料の場合通気性が高い生地を用いると衣服内へ外気を取り込みやすくなり、涼しく感じます。
冬物衣料の場合では、低通気性の生地を用いると、衣服内の暖められた空気が外に逃げにくくなるため、暖かく感じます。
また、ダウンコートや中綿コートに使用する生地は、吹き出し防止のため、低い通気性の生地が採用されます。
試験方法
JIS L 1096 A法（フラジール形法）を紹介します。
規定の生地面積に対して、規定の圧力差で、規定時間中に試験片を通過する空気量を測定します。
- 試料の異なる5箇所から試験片20㎝×20㎝をそれぞれ1枚採取します。
- 試験機の円筒の一端に試料を取付、傾斜型気圧計が125Paの圧力を示すように吸い込みファンと空気孔を調整します。
- 垂直形気圧計の示す圧力を測ります。
- 測定した圧力と使用した空気孔種類により、試験片を通過する空気量（㎝3/㎝2・sec）を試験機に付属する換算表で計算します。
- 5回の試験結果の平均値を求めて、通気性試験の結果とします。
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
| 試験項目 | 試験方法 | 試験結果 |
|---|---|---|
| 通気性 （㎝3/㎝2・sec） |
JIS L 1096 A法 | 103.0 |
QTEC基準
下表はＱＴＥＣ基準（抜粋）です。
| QTEC基準 ジャケット・コート類 | |||
|---|---|---|---|
| 項目 | 試験方法 | 基準値 | 適用対象 |
| 通気性 | JIS L 1096 A法 | 3.0㎝3/㎝2・sec以下/㎝ | 羽毛と直接接する生地に適用 |
その他特記事項
必要試料目安量：60㎝×60㎝
