概要
着用中に衣服を何らかの尖ったものに引っ掛けてしまい、糸が引っ張り出されてループ状になってしまった経験がありませんか?
この現象に対する抵抗力を確認する試験方法がスナッグ試験になります。
生地糸の飛び出しやすさ、ひきつれやすさを調べます。
特に長繊維(フィラメント糸)を使用する生地、密度が粗い生地、浮き糸が多い組織にスナッグが生じやすいため、注意が必要です。
スナッグが発生した生地
試験方法
一般的にアパレル製品に使用されているICI形メース試験機法(A法)を紹介します。
ICI形メース試験機
- 試料をたて糸(ウェール)方向及びよこ糸(コース)方向それぞれ採取します。
- 生地の長辺を二つに折り、円筒形になるように本縫いで縫い合わせて、試験片とします。
- 試験片をシリンダーにセットし、しわを伸ばして固定します。
試料設置
- メースを試験片の上にのせ、試験機を動かし、100回転処理します。
メースを試料に設置
- 試験後、試験片のスナッグの程度を観察し、評価用標準写真と照らし合わせて級数判定を行います。
試験前後の試料比較
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 | |
---|---|---|---|
スナッグ(級) | JIS L 1058 A法 | たて | 4 |
よこ | 2 |
QTEC基準
下表はQTEC基準(抜粋)です。
QTEC基準 カットソー類 | ||
---|---|---|
試験項目 | 試験方法 | 基準値 |
スナッグ(級) | JIS L 1058 A法 | 3級以上 |
・長繊維製品に適用
その他特記事項
必要試料量目安:80㎝×80㎝