概要
生地におけるパイルの脱落易さを評価する試験方法です。
別珍、ベルベット、ビロードなどの織物及びカットパイル編物の場合、着用や洗濯中の摩擦作用により、パイルが脱落し他の衣類に付着する事があります。パイルが脱落してしまうと、製品の外観を損ねてしまったり、生地表面の風合いにも影響してしまいます。
試験方法
ループパイル織物に適用するB法、シャーリング加工を施した織物に適用するC法もありますが、一般衣類によく使われるA法、ユニバーサル形試験機法を紹介します。
ユニバーサル形試験機
- 約80㎜×80㎜の正方形試料a、直径が約15㎜もしくは22㎜の円形試験片bをそれぞれ採取します。
- 摩擦台上にゴム板を敷き、その上に試験片aのパイル面を下に設置します。
- 摩擦台上方の押圧板に耐水研磨紙を取り付ける。
- 試験を開始し、試験片aを多方向に500回摩擦する。
- 摩擦台から試験片aをとりはずし、試験片bと同じ大きさの円形に摩擦部分を切り取り、パイルの残留質量を測ります。
- パイル保持率は、(上記5に計測したパイルの残留質量/試験片bのパイル質量)×100%によって算出されます。
試験片設置
試験中の様子
試験結果サンプル
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 |
---|---|---|
パイル保持性(%) | JIS L 1075 A法 | 75 |
下表はQTEC基準(抜粋)です。
QTEC基準 ジャケット・コート類 | ||
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項目 | 試験方法 | 基準値 |
パイル保持性 | JIS L 1075 A法 | 60%以上 |
別珍、コール天に適用
その他特記事項
必須試料量目安:30㎝×30㎝