概要
スポーツ衣料、ジャケット、ブルゾン、スーツ、コート、パンツなど様々な商品に中わたが使用されていますが、着用時に織目や編目、縫目から中わたが抜けてしまい、製品の外観を損なうことがあります。
これは、生地の織目、編目の疎密や縫製条件、生地と中わたの組合せなど多くの要素に起因する現象です。
この中わたの吹出しやすさを評価する方法として、中わた吹き出し(バイリーン法)があります。
試験方法
- 表地、中わた、裏地の順で試験片を重ね合わせます。
- 試験片たて17㎝×22㎝を横方向に二つ折りをし、袋状に縫い合わせ、直径3㎝のスーパーボールを4個入れて、口を閉じて縫います。
試料調製図
試験片を袋状に縫い合わせる
スーパーボール
- ICI型ピリング試験機の木箱に、2の手順で作成した試験片8袋を入れ、5時間連続運転します。
試験片をピリング試験機に投入
- 運転終了後、中わたの抜け状態を目視で判断します。
試験終了後の吹き出し確認
- 表地と裏地から吹き出した毛羽や毛玉の発生状況を、標準写真と見比べて、1~5級で級数を判定します。
試験結果サンプル
下表は試験結果のサンプルです。
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 | |
---|---|---|---|
中わた吹出し(級) | バイリーン法 | 表 | 5.0 |
裏 | 4.5 |
QTEC基準
下表はQTEC基準です。
QTEC基準 | ||
---|---|---|
項目 | 試験方法 | 基準値 |
中わた吹出し(級) | バイリーン法 | 3級以上 |
その他特記事項
必要試料量目安:製品に使われる表地、中わた、裏地 各々80㎝×80㎝