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抗ウイルス性試験・光触媒加工製品(JIS R 1706 , JIS R 1756)

概要

光触媒とは、光があたることで化学反応の反応速度を変化させる物質であり、消臭や抗菌、抗ウイルスなどの様々な効果が得られると考えられています。

光触媒材料の抗ウイルス試験方法では、ウイルスの1種であるバクテリオファージを用いて、紫外光又は可視光照射時の光触媒加工製品の表面における抗ウイルス活性を評価します。平板状の加工製品を「フィルム密着法」、繊維状の加工製品を「ガラス密着法」と呼ばれる方法で評価を行います。

試験方法

  1. フィルム密着法(平板状の加工製品)
    1)試料5cm×5cmに試験バクテリオファージ液を0.15 mL接種します。
    2)25℃で4時間、光照射条件又は暗条件で作用します。
    3) 洗い出し液を10mL加え、試料からウイルスを回収します。
    4) 回収したバクテリオファージを宿主細菌に感染させて、ウイルス感染価を測定します。

  2. ガラス密着法(繊維状の加工製品)
    1) 試料5cm×5cmに試験バクテリオファージ液を0.15 mL接種します。
    2) 25℃で4時間、光照射条件又は暗条件で作用します。
    3) 洗い出し液を20mL加え、試料からウイルスを回収します。
    4) 回収したバクテリオファージを宿主細菌に感染させて、ウイルス感染価を測定します。

  3. ウイルス感染価の測定
    プラーク測定法:プラーク数をカウントし、ウイルス感染価を測定します。
    *バクテリオファージQβのプラーク(透明な斑点部分)の様子:

    バクテリオファージが感染したことにより、細菌の細胞が溶け出した部分

     

  4. 無加工試料と加工試料の感染価を比較し、抗ウイルス活性値を算出します。
    1)JIS R 1706
    VL=log(BLCL

    VL:紫外放射照度Lで光照射した光触媒抗ウイルス加工材料による抗ウイルス活性値
    BL:無加工試験片を紫外放射照度Lで光照射した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
    CL:光触媒抗ウイルス加工した試験片を紫外放射照度Lで光照射した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)

    V =log(BLCL)― log(BDCD

    V:光触媒抗ウイルス加工材料の光照射による抗ウイルス活性値
    BD:無加工試験片を暗所に保存した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
    CD:光触媒抗ウイルス加工した試験片を暗所に保存した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)

    2)JIS R 1756

    VF-L=log(BF-LCF-L

    VF-L:照射条件F-Lで光照射した可視光応答形光触媒抗ウイルス加工材料による抗ウイルス活性値
    BF-L:無加工試験片を照射条件F-Lで光照射した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
    CF-L:可視光応答形光触媒抗ウイルス加工した試験片を照射条件F-Lで光照射した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)

    V =log(BF-LCF-L)― log(BDCD

    V:可視光応答形光触媒抗ウイルス加工材料の光照射による抗ウイルス活性値
    BD:無加工試験片を暗所に保存した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
    CD:可視光応答形光触媒抗ウイルス加工した試験片を暗所に保存した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)

試験結果サンプル

JIS R 1706及びJIS R 1756では、抗ウイルス効果の基準値は定められていません。

試験方法 PIAJ評価基準
JIS R 1706 抗ウイルス活性値 VL> ≧ 2.0
光照射による抗ウイルス活性値 ⊿V ≧ 0.3
JIS R 1756 抗ウイルス活性値VF-L ≧ 2.0
光照射による抗ウイルス活性値 ⊿V ≧ 0.3

その他特記事項

PIAJマーク認証:
光触媒工業会(PIAJ)では、抗ウイルス加工製品に対するPIAJマーク認証を行っています。
QTECも推奨試験機関として指定されており、PIAJ認証マークの認証に必要な試験を行っています。

  

試験必要量:フィルム密着法:1照射条件(暗条件含む)あたり未加工試験片9枚、加工試験片6枚

ガラス密着法:1照射条件(暗条件含む)あたりA4サイズ1枚

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