概要
走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope: SEM)は虫眼鏡のように小さな物体を拡大して観察する顕微鏡です。虫眼鏡はガラスレンズと光を使うのに対し、SEMは電子線と電子レンズを組み合わせて使用することで例えば細菌の表面にある微細な構造まで見ることが出来ます。
QTECは走査電子顕微鏡と細菌・ウイルス・細胞を取り扱うことのできる環境を活用し、これらの可視化や元素分析に挑戦しています。
さらに細菌やウイルスを取扱い、薬剤処理による形状変化の様子を走査電子顕微鏡で撮影するまでを一貫して行える高いスキルとノウハウの蓄積を活かしたソリューションをご提供いたします。
見えないものを“視る”先端顕微鏡技術に裏付けられた撮影データは、ビジュアルエビデンスとして皆様の商品の付加価値向上に大きく役立ちます。
試験方法
撮影目的により様々な手法がございます。
ご要望の撮影条件をお聞かせいただき、ご提案いたします。
例としてご紹介します。
- 液剤サンプルでの抗菌試験後の試験菌の撮影
1)液剤と試験菌を事前に取り決めた割合で混合します。
(対照試料は水あるいは事前に取り決めた溶液を使用します)
2)液剤と試験菌の混合液を取り決めた温度、時間でインキュベートします。
3)液剤の活性を不活化するための取り決めた不活化剤に液剤と試験菌の混合液を加えます。
4)混合された不活化剤に含まれる試験菌の生菌数を混釈平板培養法で測定します。
5)残りの混合された不活化剤に含まれる試験菌を回収して化学固定を行います。
6)化学固定した試験菌をフィルター等に回収してから所定の方法で乾燥させます。
7)乾燥した試験菌に導電性処理を行います。
8)走査電子顕微鏡にセットして観察、撮影を行います。 - 生地表面の撮影
1)観察する側の生地表面に導電性処理を行います。
2)走査電子顕微鏡にセットして観察、撮影を行います。
試験結果サンプル
液剤を使った抗菌試験後の試験菌の撮影例:2種類の液剤で処理した大腸菌の可視化 | ||
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液剤:水 (コントロール) |
液剤:塩化ベンザルコニウム |
液剤:グルコン酸クロルヘキシジン |
○ 塩化ベンザルコニウム処理後の菌表面構造の変性を黄矢印で示す。 ○ グルコン酸クロルヘキシジン処理後の菌体の凹みを紫矢印で示す。 (観察倍率:6万倍、画像内のスケールバーはそれぞれ500nm |
その他特記事項
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