Test

防護服の人工血液バリア性・ウイルスバリア性試験(JIS T 8060、ASTM F1670、JIS T 8061、ASTM F1671)

概要

医療従事者が着用する医療用防護服や医療用ガウンは、血液等の体液が付着しても防護服やガウンの裏側に浸透しない耐浸透性が必要です。

人工血液バリア性試験(JIS T 8060、ASTM F1670)、ウイルスバリア性試験(JIS T 8061、ASTM F1671)はヒトの体液モデル(疑似体液)を使い耐浸透性を評価する方法です。

人工血液バリア性試験は、人工血液を疑似体液モデルとして使用し試験片の浸透、ぬれの痕跡が現れるかを観察します。
ウイルスバリア性試験はブイヨンを疑似体液モデルとして使用し、大腸菌のみに感染する大きさ0.03µmのバクテリオファージウイルスを加えたバクテリオファージブイヨンを試験液に使用します。培養することで目視では確認できない浸透を検出します。

試験方法

  1. 人工血液バリア性試験(JIS T 8060、ASTM F1670)
    1)テストセルに試験する面が人工血液と接するよう取り付け、セル支持台に固定します。
    2)セルに人工血液を加えます。
    a.JIS T 8060
    各手順に従い、既定の圧力を加え、浸透の有無を目視確認出来るまで試験を進めていきます。
    b.ASTM F1670
    0kPa~13.8±0.2 kPaまで徐々に昇圧していき、浸透の有無を目視確認した後、一定時間保持します。

    浸透なし

    浸透あり

  2. ウイルスバリア性試験(JIS T 8061、ASTM F1671)
    1)テストセルに試験する面がウイルス液と接するよう取り付け、セル支持台に固定します。
    2)セルにバクテリオファージブイヨンを加えます。
    a.JIS T 8061
    各手順に従い、既定の最大圧力まで試験を進めていきます。
    (人工血液バリアの試験結果が反映されます)
    b.ASTM F1671
    0kPa~13.8±0.2 kPaまで徐々に昇圧していき、一定時間保持をします。
    3)試料の裏面を洗浄し、洗浄液を回収します。
    4)回収した洗浄液を培養し、プラークを確認します。

試験結果サンプル

試験項目 試験方法 評価基準
人工血液バリア JIS T 6080 目視で浸透がないこと
ASTM F 1670 目視で浸透がないこと
ウイルスバリア JIS T 6081 ファージの検出が
認められないこと
ASTM F 1671 ファージの検出が
認められないこと

その他特記事項

試験必要量:A3サイズで2枚以上
(表面に穴、シワ、折れ等のない状態が望ましいです)

依頼書ダウンロード

この試験に関して相談する

関連する試験