Test

繊維製品上の花粉やダニ由来タンパク質等の減少度測定方法(ISO 4333)

概要

近年、人々は、清潔で快適な生活を求める傾向にあります。
日常生活を送る上で、繊維製品上には微生物やたんぱく質などの多くの汚染物質が付着するため、花粉リリース性能を有する製品やタンパク質などを変化させる機能を付与した機能加工製品が開発されています。

このような背景のもと、「経済産業省 平成31~令和3年度 国際標準共同研究開発事業:繊維製品上の花粉由来タンパク質等の測定方法に関する標準化(ISO化事業)」において、花粉やダニ由来のタンパク質等を対象とした測定方法の研究開発試験を行いました。
そして、ISO/TC38/WG23 Expertとして国際会議に参加し、2022年7月に繊維製品上の花粉やダニ由来タンパク質等の減少度測定方法(ISO 4333Textiles — Determination of reduction activity of specific proteins derived from pollen, mite and other sources on textile products)が発行されました。

試験方法

  1. 試料(5cm×5cm又は0.4g)に試験タンパク質懸濁液を1.0 mL接種します。

     

     

  2. 25℃で2時間作用します。

     

     

  3. 試料からタンパク質を回収します。

     

     

  4. ELISAにてタンパク質量(ng/mL)を測定します。


    測定機器:マイクロプレートリーダー

  5. 測定したタンパク質量(ng/mL)から低減化率(%)を算出します。
    低減化率【P 】=(RnRt)/ Rn × 100

    Rn:ブランク(試料無し)の2時間作用後のタンパク質量の平均値
    Rt:加工試料の2時間作用後のタンパク質量の平均値

試験結果サンプル

ISO 4333では、由来タンパク質の低減化率の基準値は定められていません。

その他特記事項

  1. この試験方法は、繊維表面での花粉やダニ由来タンパク質等の定量測定方法であり、人体に関する影響を評価する試験方法ではございません。
    景表法、薬機法に関する記載等に関しては弁護士、関係省庁へお問い合わせください。
  2. 試験対象となるタンパク質の種類(例):
    タンパク質の種類 由来タンパク質の名称
    スギ花粉由来タンパク質 Cryj 1
    Cryj 2
    コナヒョウヒダニ由来タンパク質 Derf 1
    Derf 2
    ヤケヒョウヒダニ由来タンパク質 Derp 1
    Derp 2
  3. 基本的には、ブランク(試料無し)との比較ですが、ブランク(試料無し)の代わりに「無加工試料」での実施も可能です。
  4. 試験必要量:1試験条件あたりA4サイズ程度。
    (試料により異なりますので詳細はご相談ください)

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