About QTEC
挑戦を続けるお客様に、寄り添える試験機関でありたい
「より暖かいもの」「より抗菌作用の高いもの」など、世の中では繊維製品の機能性向上のためのさまざまな開発が続けられています。QTECの福井試験センターでは、そうした繊維製品の機能性を測定・証明することで、より便利な商品を世の中に届けるためのお手伝いをしています。センター長のY.Sさんが、QTECが培ってきた機能性試験の強みや思いを語ります。
機能性試験業務担当
Y.S
Q機能性試験とはどんなものでしょうか?
遮熱性やUVカット(紫外線遮蔽率)、防汚性などの機能を持つ製品や生地の性能を評価する試験です。
福井試験センターでは2つのチームに分かれて試験を行います。強さや色落ちのしにくさなど、繊維の基礎性能の評価試験を行う「一般試験チーム」と、繊維の価値を高めるために付け加えられた機能性を評価する「機能性試験チーム」です。
一部の機能性試験はQTECの他拠点でも行うことができますが、福井試験センターには機能性試験のための設備や体制が集約されており、新規性のある機能の評価方法を相談できる窓口もあります。
Q入社のきっかけを教えてください。
子どものころから、わからないことを試したり目に見えない違いを調べたりすることに興味があり、理科の実験が大好きな少年でした。大学では材料化学科を専攻し、物質を抽出して分析する手法を学びました。就職活動でQTECに出会った時も、「いかにも実験がたくさんできそう」と心惹かれたことを覚えています。
子ども時代から抱いていた興味を失わずにいられたからこそ、今ここで充実した日々を送ることができているのでしょうね。
Q近年さまざまな機能を持つ繊維製品が出てきました。
背景には、産業が発展し消費者の商品選択の幅が広がったことで、付加価値のない商品が売れにくくなったことが挙げられます。
暖かさ・吸水性・速乾性といった古くからある機能に加え、繊維製品には新しい機能が次々に増えています。例えば、学校や職場の制服では透けにくさのニーズが高まり、JIS規格も定められました。カーテンも、プライバシー保護の観点から透けにくさが重視されるほか、熱や紫外線を遮断しつつ明るさを取り入れるなど、複数の機能を組み合わせた製品が登場しています。
新たな機能が生まれると、本当に効果があるのかを実証・評価する「ものさし」の必要性も同時に高まります。こうした需要に対応して新しい試験方法を提案し続けるのが我々の仕事です。
QQTECの機能性試験にはどのような強みがありますか?
2つあります。一つは、JIS規格で定められていない機能の比較方法をお客様と共に考え、提案できる点です。
統一された機能評価の方法があれば良いのですが、独自の機能を証明したい場合は新たな評価方法を考えなければなりません。例えば日傘であれば、生地の遮熱性を評価する試験規格はあるものの、独自の形状で機能を高める工夫が施されている場合、それを確かめるための決まった評価はありません。
こういった場合でも、さまざまな機能評価に関わってきた知見と経験から素材や製品に合った評価方法をご提案し、商品に付加価値を与えるためのお手伝いをしています。
Qもう一つの強みはどんなことでしょうか?
素材の開発から販売まで、サプライチェーンの各段階で専門家として機能評価に関わっている点です。
素材開発では素材そのもの評価試験方法を、製造段階では試験結果の良し悪しの判断や、評価を改善するための発案を、BtoBで製品を卸す段階では、アピール材料になる機能などをアドバイスします。小売店で販売する際には、安定した品質管理方法や、製品表示に関する法規制のアドバイスなども行います。
サプライチェーンの全工程で関係性を持つ試験機関だからこそ、あらゆる面で専門的な知見を活かし、お客様の支えとなれるのです。
Qやりがいを感じる瞬間を教えてください。
どんな機能を持つ商品がどのように売り場で売られているのか、またメディアでどのように紹介されているのか、消費者目線でチェックすることがあります。そのなかで時々、自分たちの仕事の成果に出合う場面があるんです。
例えば、ふとんの温かさのレベルや、カーテンの花粉吸着性、プライバシーを守るためのカーテンの見えにくさといった評価方法は、私がものさしづくりに関わり、今も製品表示に使われているもの。これらに出合うと、私たちの仕事が世の中の役に立っていると実感し、仕事のやりがいにつながります。
私にとって機能性商品の最先端に立ち会えることは一番の喜びであり、今後も携わっていきたい仕事です。
Q仕事において重視していることを教えてください。
一緒に働く仲間には、「試験がなぜその結果になったのかを考えること」を心掛けるように話しています。仮にお客様の意に沿わない試験結果になった場合、お客様は改善のための専門的な見解が欲しいと考えるに違いないからです。
根底にあるのは、製品開発に携わる方々へのリスペクト。開発現場の方は、細かく条件を変えながら試行錯誤を繰り返し、より良い製品を世の中に送り出すための挑戦を重ねておられます。そうしたお客様の努力を無駄にしないよう、お客様に寄り添いお手伝いができるQTECであり続けたいと思っています。