概要

「製品検査」とは、衣料品や生活雑貨など、完成した「製品」に対して、「検品」し、その良し悪しを確認することを指します。具体的には製品の外観及び縫製などに品質上の問題がないか、製品に表示されている内容が家庭用品品質表示法などの法律や納入先が定める基準に即しているかを確認します。

もし、製品の外観および縫製に問題があれば、消費者クレームが発生し、最悪の場合、製品回収となり得ます。また、法律に従った適性な表示がされていなければ、法律違反となり、こちらも製品回収の対象となってしまいます。
製品回収となれば金銭面の損害だけでなく、ブランドイメージの低下は避けられません。このような事が起こらないよう、事前の確認が重要です。

試験方法

提出された製品に対して次の項目を確認します。

  1. 材料・外観・縫製・機能性の確認
    (材料確認)
    製品に使用されている材料についての品質を確認します。
    例)編織キズ・染色の不具合による中希の有無
    皮膚刺激性のある材料の有無(モノフィラメント糸、ヒートカット)
    (外観確認)
    製品の形態などに異常が無いかを確認します。
    例)製品の歪み、ねじれ、波打ちなどの有無
    柄合わせの確認、仕上げによる異常(アタリ、テカリなど)
    (縫製確認)
    縫製部分に異常が無いかを確認します。
    例)針穴キズの有無、補強縫いの有無、目飛びなどのミシン不良の有無
    (機能性確認)
    ここで言う機能とは、着用時に必要な「伸び」の事を指します。
    例えばTシャツであれば首回りなど、伸びが不足してしまうと着用自体が出来なくなります。着用時に最低限必要な伸び寸法が製品に備わっているかを確認します。

     

  2. 表示内容の確認

    家庭用品品質表示法などの法律、納入先規則基準に違反していないかを確認します。(表示についての詳細はこちらのページをご参照ください)

    (確認事項)
    • 組成表示
      製品を構成している素材の名前と含有率を表示したものです。
      製品に縫いこまれているラベルやパッケージに記載されています。
      表示例)ポリエステル 50% 綿 50%
      家庭用品品質表示法(繊維製品品質表示規程)で規定された方法での表記が必要です。
    • 取り扱い表示
      家庭での洗濯方法などについての表示です。
      家庭用品品質表示法(繊維製品品質表示規程)に規定されており、規定に従った表記が必要です。
    • はっ水性の表示
      家庭用品品質表示法(繊維製品品質表示規程)に規定されています。
      レインコートなど、はっ水性を必要とするコートについて、規定された表現での表記が必要です。
    • 表示者名及び連絡先の付記
      家庭用品品質表示法(繊維製品品質表示規程)で規定された表示事項(組成表示、取り扱い表示、はっ水性の表示)に対する表示責任者名及び連絡先を付記する必要があります。
    • 原産国表示
      原産国の表示については不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に規定されています。
      当該製品に対して、「商品の内容について実質的な変更をもたらす行為」が為された国の表記が必要です。
    • サイズ表示
      サイズ表示は法律で規定されていませんが、消費者が購入時に参考とする非常に重要な表示です。
      納入先の基準に規定されており、一般的にはJISに規定されている方法で表記されます。

QTEC基準

製品検査基準(QTEC基準より抜粋)

  1. 材料
    1)主材料は使用目的に適した優良なもので、品質を損なう欠点がなく、着用及び洗濯等に耐え収縮の少ない物を使用すること。
    2)副材料(裏地、芯地、テープ、紐、ゴム、釦、ファスナ、スナップ、装飾品、その他)は 主材料及び使用箇所に適した優良なもので、品質を損なう欠点がなく、着用及び洗濯等に耐え、収縮の少ないものを使用すること。
  2. 縫製
    1)伸縮性のある生地の縫い目は、通常の着用、洗濯で生じる伸びに耐え、縫糸切れ、縫い糸抜けが生じないこと。
    2)目飛び、縫い外れ、地糸切れ縫糸切れ、縫い忘れ、送り歯キズ、押さえ金キズ、縫い止め不良、縫いつまみ、舌出し、ハサミキズ等の欠点がないこと。
    3)縫い継ぎ不良、縫い糸調子不良(縫い目乱れ、上下糸バランス不良)、縫い曲がり、縫いつれ、パッカリング、縫い目笑い、メス切れ不良、縫い伸ばし、縫い縮み、縫いずれ、縫い捩じれ、その他の欠点が目立たないこと。
    4)針の折れた先、手縫針、しつけ針等は完全に除去してあること。
    5)縫い始め、縫い終りは、返し縫い、かんぬき、まつり等で縫い止めをすること。
    6)返し縫いの出来ない場合は糸端を結ぶか糸端を生地内へ引き込む等により縫い端がほつれないようにすること。
    7)いせ込み、ギャザー寄せ、シャーリング等については部分的に、偏らないように見栄えよく仕上げてあること。
    8)すくい縫いは、表への響きが目立たないこと。
    9)滑脱がないこと
    10)リンキングの目落ちがなく、刺し目のゆるみが目立たないこと。糸端の始末をきれいにすること。
    11)偏平縫い(2本針、3本針、4本針)の縫い始め、縫い終わりの重なりは3cm以上とすること。
  3. 外観(仕上げ)
    1)左右上下の形状に不揃いがないこと。
    2)アイロン焼け、アタリ、テカリ、モアレ、風合い変化等がないこと。
    3)しみ、汚れ、チャコ汚れ等完全に除くこと。
    4)糸屑等は完全に除くこと。
  4. 表示
    組成表示、取扱い絵表示、原産国表示、サイズ表示、その他の表示の内容及び取り付け方が適法かつ適正で指示通りであること。

その他特記事項

1.必要試料量:製品1点

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