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動物繊維

動物繊維とは動物からとれる体毛や、蚕の繭の糸などを採取してそのまま利用しているものを言います。

ここでは、代表的なものとして毛と絹について紹介致します。

 

特徴

毛には羊毛(緬羊の毛)、アンゴラ(アンゴラうさぎの毛)、カシミヤ(カシミヤ山羊の毛)、モヘヤ(アンゴラ山羊の毛)などがあり、家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程では、これらを総称して「毛」と表示することが出来ますが、羊毛であれば「羊毛」「ウール」「WOOL」、アンゴラであれば「アンゴラ」、カシミヤであれば「カシミヤ」、モヘヤであれば「モヘヤ」のように表示することも可能です。その中でも、衣料に使用される毛の大半が羊毛です。

羊毛はうろこ状の表皮部分(スケール)と皮質部(コルテックス)とから構成され、表皮部分(スケール)が水をはじくためはっ水性があり、皮質部(コルテックス)は水蒸気を吸収し易い性質があります。特徴としては、上記のような性質と保温性に富みますが、アルカリに弱く、虫からの害を受けやすい性質を持っています。

主な用途

セーター・スーツ・毛布など保温性が要求される用途や、衣料用以外では砥石の仕上げなどに使うバフと呼ばれる工具には、獣毛をまぜることがあります。

特徴

絹は蚕蛾の繭から採取され、主成分はたんぱく質のフィブロインで、吐出された繭糸は2本のフィブロイン繊維が水溶性のたんぱく質のセリシンで固着されています。糸もしくは生地の段階で、このセリシンを溶解除去し2本の10μm程度の細い糸にします。家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程では、「絹」「シルク」「SILK」と表示するように規程されています。

主な用途

シャツ・ブラウス・ネクタイ・着物などの高級ゾーンで使用され、衣料品以外では楽器の弦の材料や画材として使用されます。