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家庭洗濯等取扱表示

家庭洗濯等取扱表示について

家庭洗濯等取扱表示(家庭における洗濯処理、漂白処理、乾燥処理、アイロン仕上げ処理及び商業クリーニング処理に関する取扱方法)は家庭用品品質表示法の繊維製品品質表示規定によって、表示が義務付けられており、JIS L 0001「繊維製品の取扱いに関する表示記号及び表示方法」に規定される取扱表示を用いて表示をする必要があります。
取扱表示は繊維製品の取扱いを絵柄、並びに文章で記載したもので、正しい取扱方法を分かりやすく消費者の方へ伝えることを目的としています。従来は製品に縫込んだタグに表示するのが一般的でしたが、最近では製品に直接プリントする製品も増えてきています。ここでは取扱表示の基本的な見方をご紹介します。

表示の原則

取扱表示の表示は5つの基本記号と付加記号を組み合わせて構成されております。基本記号には「家庭洗濯」、「漂白」、「乾燥」、「アイロン」、「商業クリーニング」があり、これらを左から順番に並べて表示します。
表示する順番は入れ替えることはできませんのでご注意下さい。
5つの基本記号のいずれかが省略されている場合は、原則として省略した記号の全ての処理方法に対応可能と解釈されます。つまり、表示をしない場合は最も強い処理が可能であると判断されます。

 

基本記号

 

付加記号

 

 

表示の種類

5つの基本記号のうち、乾燥処理記号にはさらにタンブル乾燥と自然乾燥の2種類の記号があり、商業クリーニング処理記号にもドライクリーニングとウェットクリーニングの2種類の記号があります。従って、これらをあわせると処理別に7つの記号が用意されていることになります。
さらに温度条件や処理方法を表す付加記号によって細分化されており、全てあわせると41種類もの記号があります。その中から適切な記号を処理毎にひとつずつ選び、取扱表示を作成します。

 

取扱い表示一覧

 

表示例

洗濯処理記号について

・記号番号110(手の記号)は手洗いであることを示し、その他のマークは洗濯機洗いであることを表しております。
・記号の中の数字は洗濯温度の上限を示しています。
・記号アンダーバーは処理の強さを示しており、[ー]は弱い処理、[=]は非常に弱い処理を示しています。

記号 記号の意味
液温は40℃を限度とし、洗濯機で通常の洗濯処理ができる
液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
液温は40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる
液温は30℃を限度とし、洗濯機で通常の洗濯処理ができる
液温は30℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
液温は30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる
液温は40℃を限度とし、手洗いによる洗濯処理ができる
洗濯処理はできない

 

漂白処理記号について

・記号番号220(白塗りの三角)は塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の処理が可能であることを表しています。

・記号番号210(斜線の入った三角)は酸素系漂白剤の処理のみが可能であることを表しています。

記号 記号の意味
塩素系及び酸素系漂白剤による漂白処理ができる
酸素系漂白剤による漂白処理ができるが、塩素系漂白剤による漂白処理はできない
漂白処理はできない

タンブル乾燥処理記号について

・ドットは排気温度の上限を示しており、[・]は低温(60℃)[・・]は高温(80℃)を示しています。

記号 記号の意味
洗濯処理後のタンブル乾燥処理ができる 
高温乾燥:排気温度の上限は最高80℃
洗濯処理後のタンブル乾燥処理ができる
低温乾燥:排気温度の上限は最高60℃
洗濯処理後のタンブル乾燥処理はできない

自然乾燥処理記号について

・記号の中の縦線は吊干しを、横線は平干しを示しています。2本線は脱水を行わないぬれ干し、斜線は日陰干しを示しています。

記号 記号の意味
つり干し乾燥がよい
ぬれつり干し乾燥がよい
日陰でのつり干し乾燥がよい
日陰でのぬれつり干し乾燥がよい
平干し乾燥がよい
ぬれ平干し乾燥がよい
日陰での平干し乾燥がよい
日陰でのぬれ平干し乾燥がよい

アイロン仕上げ処理記号につい

・ドットは底面温度の上限を示し、「・」は110℃(スチームアイロンなし)、「・・」は150℃、「・・・」は200℃を示しています。

記号 記号の意味
底面温度200℃を限度としてアイロン仕上げ処理ができる
底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げ処理ができる
底面温度110℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げ処理ができる
アイロン仕上げ処理はできない

商業クリーニング処理記号について

・「P」はパーククロロエチレン及び石油系溶剤、「F」は石油系溶剤、「W」はウェットクリーニングの処理を示しています。

・アンダーバーは処理の強さを表し、「-」は弱い処理、「=」は非常に弱い処理を示しています。

記号 記号の意味
パークロロエチレン及び記号Fの欄に規定の溶剤でのドライクリーニング処理ができる。
通常の処理。
パークロロエチレン及び記号Fの欄に規定の溶剤でのドライクリーニング処理ができる。
弱い処理。
石油系溶剤(蒸留温度150℃~210℃、引火点38℃~)でのドライクリーニング処理ができる。
通常の処理。
石油系溶剤(蒸留温度150℃~210℃、引火点38℃~)でのドライクリーニング処理ができる。
弱い処理。
ドライクリーニング処理ができない。
ウエットクリーニング処理ができる。
通常の処理。
ウエットクリーニング処理ができる。
弱い処理。
ウエットクリーニング処理ができる。
非常に弱い処理。
ウエットクリーニングはできない

付記用語について

取扱表示の記号の他にも簡単な文章を処理記号を表示した後に別行で付記することが認められています。付記用語を用いることによって記号のみでは伝えることができない細かい取扱方法も表示することが可能です。

 

表示例

 

付記用語例(JIS L 0001 付属書C)

 

表示の仕方について

・取扱表示および付記用語は製品に直接記載するか、またはラベルに(縫付ラベルなど)に記載します。

・ラベルは、少なくともラベルを付ける繊維製品と同程度の洗濯処理記号および商業クリーニング処理に耐えられる素材で作成します。

・ラベル並びにラベルに印字した記号および付記用語は、容易に読み取れる大きさにし、製品の耐用期間中は判読可能な状態を維持できるものを使用します。

・ラベルは簡単にわかる箇所に見やすく、縫い目などに隠れず、しっかり容易に取れない方法で製品に取り付ける必要があります。

・取付により破損する恐れのあるマフラー、スカーフ、ショールおよび帽子ならびに両面使用の帽子については貼付けや下げ札で表示することができます。