QC監査について
協力工場の品質管理の状況を確認する、QC(Quality Control)監査についてご紹介致します。
サプライチェーン上の工場がどのような品質管理を行っているのかを把握するということは、その工場の製品の品質を確認することにつながります。
実際に協力工場を訪問して製品の品質、現場の状況、書類、記録などを確認します。
実際に工場への訪問がかなわない場合は、リモートによる調査を行うこともあります。
QC監査の目的
QC監査の目的はいくつか挙げられます。監査目的によって監査の方法が変わってきます。
(QC監査目的の例)
- 新規工場が取引先の品質基準に適合するかを知りたい。
- 既存工場を定期的に確認し、QCに対する意識を高めたい。
- 製品がその製造工程に適合しているのかを知りたい。
- 不良の再発防止策をさぐりたい。
- 量産開始後、工場に問題が起きていないかを知りたい。
- 品質改善、品質向上のため。
QC監査の流れ
監査手順の一例を以下に挙げます。
- QC監査前
1) QC監査チェックリストを作成し、事前に工場に送付します。
工場にチェックリストの内容を事前に確認してもらうことで、どのようなレベルを求めているのか、どのような記録を準備したらいいのかを理解してもらうことができます。
2)日程、おおまかなスケジュールを伝えます。 - QC監査時
1)オープニングミーティング
工場の管理者に監査の趣旨とスケジュールについて説明します。
品質管理に対する工場の考え方、組織、取引先などを聞きます。
2)現場の確認
資材入荷から、製品の出荷までの各工程の状況、記録類を確認します。
3)検品
出荷前製品から抜取検品をして、品質の確認をします。
4)クロージングミーティング
実態調査で発見した指摘事項、グッドポイントなどをフィードバックします。 - QC監査後
1)報告書を作成し、依頼者及び被監査先に報告します。日本語、英語、中国語の対応が可能です。
2)指摘事項の改善方法にお困りの際にサポートを提供します。ご要望によって、改善効果の確認について、現場確認と担当者ヒアリングも含め実施します。
QC監査のポイント
QC監査のポイントを何点かご紹介致します。
- 現場で見るポイントを、予めチェックリストの項目にしておくと監査がスムーズです。しかしながら、チェックリストの項目は多ければ多いほど良いということでもありません。ある程度項目を絞ってチェックリストを作るのがポイントです。チェックリストの項目の背景にあることを、いかにどうやって確認するのかが監査員の力量になります。
- 求める品質レベルをはっきりすることで、QC監査結果の判断が変わってきます。出来栄えの品質がいくら良くても、針管理、検針など安全安心な製品には欠かせないことができていなければNGとするなど、許容できない項目は必須項目にしておくのもポイントです。
- 品質に直接影響を与える日常の管理がきちんとされているか、5Sの周知がなされているかを見ると、工場全体のレベルがわかります。また、監査のために一時しのぎの記録を作っていないか、時系列で確認するのもポイントです。
- 品質改善のため、日常ではどのような活動をしているのか確認することは、その工場が継続的に品質改善活動をしPDCAを回しているのかを知るポイントになります。
(例)
1) 不具合、不良、苦情の原因調査と対策の記録
2) 要員の教育計画と記録
3) 生産性向上のための取り組みと成果、など - 具体的なチェック項目例
1) 品質管理の推進が工場の経営指針として確立しているか
2) 品質管理部門が独立しているか
3) 要員は計画的に教育され、多能工が育っているか
4) 外の気候、害虫の侵入に対し、建物の管理がなされているか
5) 倉庫は汚れや劣化を防止する環境になっているか
6) 資材はロット管理されているか
7) 作業場は整理整頓され、仕掛品が適切に扱われているか
8) 設備はメンテナンスされているか
9) 記録類は正しく記録され、保管されているか
10) 全量検品がされて不良の記録が品質改善に活かされているか
11) 針や備品管理は適切で製品への混入は防げるか
12) 検針機の取扱いは適切か、全量検針の記録があるか
QTECのQC監査とQCに関するアドバイス
QTECは「QTEC認証工場制度」及び「QTEC認証検品工場制度」を日本・中国を中心に幅広く運営しています。この長年に渡り培ってきた工場を監査・指導する経験を元に、QC監査およびQCに関するアドバイスを行っています。
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