製品検査(サンプル検品・抜取検品)とは
製品検査は製品の状態にて生地や縫製・外観・関係表示の遵守について法令や基準を満たしているか検品します。製品検査を行うタイミングは様々で、企画段階のサンプルや本生産前のサンプル・量産後の製品もあります。そしてQTECではお客様のご要望に応じ、あらゆる場面にて検品を行います。検品は製品をQTECにお持込みいただくこともございますが、お客様ご指定の場所での検品も承っております(生産工場、物流倉庫、店舗等)。さらに統計的な確率に基づいたAQL(合格限界水準)による抜取検品も実施しております。抜取検品における統計的確率論のプロフェッショナルを有しており、お客様のご要望に応じて適切な抜取方式のご提案から現地での抜取検品まで対応可能です。
QTECの検品を通すことにより、消費者の手元へ届く製品の品質に対し高い保証を得ることが可能です。
サンプル検品とは
QTECで行うサンプル検品とは、企画段階や本生産前に作成したサンプルを縫製基準や仕様書、関係法規と比較照合して品質の良し悪しの判断を行うものです。そのため、サンプル1枚を検品するために要する時間は全数検品で行う1枚当たりの検品時間よりも長くなります。また、サンプル検品では1枚で判断をするため、様々な角度から本生産時にロット不良に繋がる恐れのあるポイントや消費者が購入した後に発生する恐れのあるポイントを適確に指摘する知識と経験もQTEC検査員には必要となっています。
- QTEC検査員に求められる知識(一例)
a.素材(繊維)の知識:繊維の種類(天然、合成)と特性
b.副資材の知識:裏地、縫糸、芯地、ボタン、レース、ゴム、ファスナー、紐等
c.縫製に関する知識:縫目形式、縫製用語、縫製工場の作業工程、自社縫製基準
d.加工に関する知識:染色加工、プリント加工、特殊機能加工
e.法令や規格に関する知識:製造物責任法(PL法)、家庭用品品質表示法(家表法)、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示表)、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)、日本産業規格JIS(取扱表示の記号、サイズ表示、子ども用衣料の安全性)等
f.性能試験に関する知識:生地やアイテム毎に適した必須試験項目、試験基準値、判定標準物 - サンプル検品の目的
サンプルは1点ものが多く、複数の枚数を検品することが出来ないことも有ります。そのため検品しているサンプルに不良品があるか、ないかだけではなく全体を俯瞰して検品することも大切です。
a.企画、縫製仕様書通りでなくロット全体が不良となることを防止する。
b.表示類が法令、規格通りでなくロット全体が不良となることを防止する。
c.縫製、プリントなどに連続性がある不良を見つけロット全体が不良となることを防止する。
d.サンプル検品済み品を承認見本として発注側、生産側で保管して双方の認識違いを防止する。 - サンプル検品・抜取検品の方法
a.企画や法令・QTEC縫製基準(素材、色ブレ)または各社縫製基準の遵守 b.品質(外観・縫製)の確認 、安全性(子ども服の紐の安全性)、物理的刺激(モノフィラメント糸使用の有無、織ネームの硬さ等)の確認
c.化学臭、不快臭の有無
d.機能寸法(首周り、裾周り、袖口)が適正であり着用できるか
e.仕様書や販売時のメリット表示、カタログなどの誌面との比較検査
f.組成、物性、染色堅ろう度等の製造上必要な品質の確認
g.検針や検針対応付属の仕様の有無
h.靴下、セーター、羽毛製品などの重量確認 - サンプル検品実施場所
a.QTEC検査員が量販店・アパレル企業・商社等の品質管理部に常駐してサンプル検品実施
b.QTEC検査員がQTEC試験センターに持ち込まれたものをサンプル検品実施
c.QTEC検査員がアパレル企業などの展示会においてサンプル検品実施 - 抜取検品の目的
抜取検品は生産したものが一定の品質にあるかを検品します。全数検品を行うことで良品と不良品を選別して良品のみを出荷して品質を確保する方法もありますが、それには時間と労力が掛かります。
その為、抜取検品を行うことでロット全体の品質を確認することが行なわれています。例えば、海外の生産地で全数検品した製品を日本国内で抜取検品する場合などが考えられます。 - 抜取検品の実施場所
a.QTEC検査員を店舗へ派遣して抜取検品実施
b.QTEC検査員を物流倉庫や検品工場へ派遣して抜取検品実施
c.QTEC試験センターで持ち込まれた製品を検品実施