2023.08.08
お知らせ
信州大学繊維学部、カケンテストセンター、ボーケン品質評価機構、日本繊維製品品質技術センター、ニッセンケン品質評価センターで構成する「繊維産業におけるLCA人材育成コンソーシアム」を発足しました。本コンソーシアムでは、国際的な産業・市場の変化に対応し、環境負荷を定量的に評価でき、クリーンなエネルギーの利用とAIやIoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用して、未来に向けた繊維産業を牽引できる人財を育成する共同講座を開講します。このプロジェクトは、「繊維産業におけるLCA人材育成共同研究講座」として、経済産業省の「令和4年度 共同講座創造支援事業費補助金」に採択されました。
この共同研究講座を通して、
1)繊維産業に幅広くLCAの考え方を普及する。【講座の部分】
2)持続可能な繊維製品を目指して、リペア、リデュース、リユース、リサイクルを含む循環産業化の仕組みを構築する。【研究の部分】
3)研究の成果を活用して、繊維産業でLCAのコンサルティングができる人材を育成する。
を実現したいと思います。
講座については、「サステナブルに向けて繊維分野が直面する課題」「IDEAの繊維分野への展開の重要性」、「LCAの考え方と関連技術」「繊維産業の国内情勢」「繊維製品LCAプラットホーム(今回の取組紹介)」を一般公開(無料)で3日間、「繊維業界のサステナブル海外情勢」、「IDEAの基本(演習)」「サステナブルに向けたDX技術の導入」を限定公開(一般有料)で3日間、信州大学繊維学部が中心になってオンラインで実施します。講座パンフレットで詳細、申込先などをご確認いただき、幅広くご参加ください。
研究プロジェクトでは、繊維製品におけるLCAのプラットホームを構築し、繊維産業におけるCO2排出量の削減を促進することを目的として、経済産業省から「J-Innovation HUB 地域オープンイノベーション拠点選抜制度(国際展開型)」に選ばれている信州大学繊維学部Fiiが中心になって実施します。
繊維製品におけるLCAのプラットホームは今年度中にアパレル企業向けに公開していきます。このプラットホームを利用することで、
1)衣料品のライフサイクルにおいて、各プロセスでのLCA評価を行い、俯瞰することで、原材料からのCO2排出量を減らす必要性を認識できます。
2)原材料からのCO2排出量を減らすミッションを定量化することにより、製造工程の廃棄、売れ残りの廃棄、使用後の廃棄を減らすリデュースアクション、長寿命化アクションにつなげられます。
3)原材料からのCO2排出量を減らすミッションを、廃棄、回収を経て、リユースやリサイクルをする循環型アクションにつなげられます。
この研究プロジェクトによって次のことを実現します。
1)繊維製品のライフサイクルにおいて、「原材料ー紡績ー織編ー染色ー縫製ー輸送ー店舗ー利用ー廃棄」の各プロセスでのLCA評価を行い、俯瞰する具体的方法を構築し、CO2排出量削減アクションの優先順位の理解を進めます。
2)製品販売後のプロセスである「廃棄」時のCO2排出量を、製品段階で予測して評価する手法を構築し、リデュースアクションを起こす仕組みを確立します。
3)製品販売後のプロセスである「利用」時の寿命を、製品段階で予測して評価する手法を構築し、修理を含む長寿命化アクションを起こす仕組みを確立します。
4)廃棄後の回収を評価する際の課題を抽出し、次年度以降の仕組みづくりの基礎にします。
5)回収後のリユース、リサイクルを評価する際の課題を抽出し、次年度以降の仕組みづくりの基礎にします。
各検査機関は、この研究に参画することで、繊維産業のLCAのコンサルティング人材を育成し、アパレル企業からのLCAについてのご相談に対応できるようにしていきたいと思っています。
詳細は繊維業界におけるLCA人材育成のHPをご参照ください。
<本件に関するお問い合わせ先>
一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)
部署名:本部 総務経理部 広報課
担当:石田・高儀
TEL:03‐6631‐9802 E-mail:pr@qtec.or.jp