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微生物とは

微生物とは

微生物って何? 簡単に言うと、「ヒトの肉眼では見えない非常に小さな生物」のことです。「細菌」「真菌」「ウイルス」などがあります。この中で最も小さいのがウイルスです。 これらの大きさを比較すると、こんなイメージです。

特徴

大きさのほかにも、「真菌」「細菌」「ウイルス」は増え方にもそれぞれ特徴があります。これをまとめたのが次表です。

真菌(かび、酵母)  細菌 ウイルス

細菌
大きさ 幅2~10μm(かび胞子)  幅1μm・長さ10μm   直径20~300nm
増殖 発芽後、菌糸形成 二分裂   宿主細胞に感染後、その細胞内で増殖
代表例 クロコウジカビ アオカビ 酵母 大腸菌 黄色ブドウ球菌 乳酸菌  インフルエンザウイルス ノロウイルス

増殖

◎真菌
発芽後、菌糸を形成して増えます。

◎細菌
自らを複製しながら2つに分裂して増えます。

◎ウイルス
宿主細胞に感染後に、その細胞内で増殖します。自ら複製することができないため、他の生物に感染しそこで遺伝子を複製します。

生活の中の微生物

◎真菌
日常お目にかかるカビが代表的です。例えば、パンに生えた青いカビ、みかんに生えたカビ、風呂場のタイルに生えた黒いカビなどです。これらを顕微鏡でみると、糸状のものがたくさん絡み合っているのが分かります。

 

◎細菌
私たちの身体は、「常在菌」と呼ばれる細菌に覆われています。
常在菌は
・一般に病気を引き起こさない。
・安定な状態で多くの種類が共存することで、外部からの病原体が増えるのを邪魔して、感染症を防いでくれる。
という特徴があります。
従って、何らかの要因で常在菌のバランスが崩れると炎症性疾患やアレルギー疾患など、様々な病気が発症してしまいます。

常在菌は多種多様な種類があり、ここでは代表的な常在菌について紹介します。

腸内常在菌
大腸には、500~1000種類、100兆個の菌が棲んでいます。 その重量は、1.0kg~1.5kgになります。
菌を直線上に並べると、地球を約3~4週する長さになると言われています。
腸内に棲む様々な菌のバランスを改善することは、健康の維持につながります。

皮膚常在菌
皮膚には、皮脂や汗の成分を栄養とする約10種類、約1兆個の菌が棲んでいます。 代表的な菌として、「表皮ブドウ球菌」「アクネ菌」があります。

表皮ブドウ球菌:
皮膚表面を弱酸性に保ち、保湿と潤いを与えてくれます。身体を洗いすぎると、この菌が少なくなり、皮膚表面がアルカリ性に傾き、外部からの微生物が殖して、皮膚トラブルの原因になります。

アクネ菌:
嫌気性細菌(酵素があると生きていけない)で、ストレスなどが原因で皮脂が多く分泌されて毛穴がふさがると、毛穴の奥で異常に繁殖し、結果として炎症が起こり、ニキビになります。

  
腔内常在菌
大人の口の中には700種類もの常在菌が棲んでいます。
数は、唾液1mLあたり、1~10億個、歯垢1gあたり10億~1千億個です。
代表的な菌として、虫歯で有名な「ミュータンス菌」があります。

ミュータンス菌:
誰の口の中にも棲んでいて、飲食後に口の中に残った糖分を栄養として取り込み、酸(乳酸)を出します。

 

◎ウイルス
インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどが代表に挙げられます。ウイルスの細胞への感染には、「ある種のウイルスはある種の細胞にしか感染できない」という特異性があります。

ウイルスに感染すると、宿主(感染する細胞)に様々なダメージを与えますが、ウイルスそのものには毒性がありません。ウイルスには「病原性」があるのです。

 

感染の例1

 

感染の例2