半合成繊維・再生繊維

半合成繊維とは、木材やパルプなどの天然のセルロース原料を化学的な処理で部分的に化学改質させた原料を用いて繊維にしたものを言い、代表的なものとしてはアセテート、トリアセテート等があります。

再生繊維とは、木材やパルプなどの天然のセルロース原料を化学的な処理によって溶解したものを原料として繊維にしたものを言い、代表的な物としてはレーヨン・キュプラ等があります。

ここでは、代表的なものとしてアセテート、トリアセテート、レーヨン、キュプラについて紹介致します。

 

アセテート(半合成繊維)

特徴

セルロースの水酸基(-OH基)の92%以上を酢酸基(-OCOCH3)に置き換えたものを、家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程では「アセテート」「ACETATE」「トリアセテート」と規程されており、その他のものは「アセテート」「ACETATE」と規程されています。

アセテートは絹のような光沢やドレープ性、風合いがあり、適度な吸湿性があります。また、熱可塑性を有しており、プリーツ性があります。

 

主な用途

フォーマルウェア・ワンピース・ブラウス・カーテン・裏地など、特性である光沢・プリーツ性を要求される用途で広く使用されており、衣料用途以外ではたばこのフィルターに使用されております。

 

トリアセテート(半合成繊維)

特徴

アセテートの特徴で説明したとおり、セルロースの水酸基(-OH基)の92%以上を酢酸基(-OCOCH3)に置き換えたもののみが「トリアセテート」と表示することができます。トリアセテートはアセテートと特徴は似ていますが、アセテートと比較して吸湿性が低く、耐熱性が高い特徴があります。

 

主な用途

フォーマルウェア・ワンピース・ブラウス・カーテン・裏地など、特性である光沢・プリーツ性を要求される用途で広く使用されております。

 

レーヨン(再生繊維)

特徴

レーヨンは家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程では「レーヨン」「RAYON」と表示するように規程されています。レーヨンはソフトな風合いで肌触りがよく、光沢、吸湿性、染色性に優れており吸湿発熱性があります。

 

主な用途

背広の裏地・肌着・ストールなどレーヨンの特性である肌触りのよさや吸湿発熱性の特性などを生かしたアイテムで使用されており、衣料用以外では粘着テープの基布・化粧品のパフetcに使用されております。

 

キュプラ(再生繊維)

特徴

キュプラは家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程では「キュプラ」と表示するように規程されています。キュプラはレーヨンと似た特徴があり肌触りがよく、光沢、吸湿性、染色性に優れており、接触冷感性を持っていますが違いとしては水濡れ時の強度低下がキュプラはレーヨンに比べて小さいという違いがあります。

 

主な用途

背広の裏地・肌着・ストールなどキュプラの特性である肌触りのよさや接触冷感の特性などを生かしたアイテムで使用されており、衣料用以外ではガーゼetcに使用されております。