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消臭性試験・繊維製品(繊維評価技術協議会法)

概要

近年、不快臭を取り除き生活環境を向上させたいという消費者のニーズが高まっています。
このような中で、消臭加工製品が登場してきました。消臭加工とは繊維が臭気成分と触れることにより、不快臭を減少させる効果を示す加工のことです。本方法はこのような消臭加工製品の消臭性能を評価する試験方法です。この方法を基にした試験方法として、ISO17299があります。試験試料と臭気成分を触れ合わせ、2時間後に雰囲気中の臭気成分濃度を評価します。
繊維評価技術協議会法では、機器分析試験法と官能試験法があります。

試験方法

  1. 機器分析試験 検知管法
    1)試験試料を100cm2または1g(わたは2.4g)に裁断し、24時間以上調湿します。
    2)サンプリングバッグに試験試料を入れ、封をし、脱気します。
    3)規定濃度に調整した臭気ガスを試料の入ったサンプリングバッグに入れ、2時間放置します。

    4)検知管を用いて濃度を測定し、計算式から減少率を算出します。
    臭気減少率(%) = (SbSm) / Sb ×100
    Sb : 空試験の平均値
    Sm : 測定の平均値

  2. 機器分析試験 ガスクロマトグラフ法
    1)試験試料を50cm2または0.5g(わたは1.2g)に裁断し、24時間以上調湿します。
    2)500mL容量の三角フラスコに試験試料を入れ、臭気成分のエタノール溶液を5μL滴下し封をします。
    3)2時間放置後、ガスクロマトグラフィーを用いて測定し、計算式から減少率を算出します。
    臭気減少率(%) = (SbSm) / Sb ×100
    Sb : 空試験ピーク面積の平均値
    Sm: 試験試料ピーク面積の平均値

  3. 官能試験方法
    1)試験試料を100cm2または1g(わたは2.4g)に裁断し、24時間以上調湿します。
    2)試験試料を三角フラスコ内に吊り下げ、臭気成分溶液を滴下し密閉します。
    3)2時間放置後の着臭及び雰囲気臭を、6名のパネルがにおいを嗅いで評価します。

試験結果サンプル

  1. 機器分析試験:
    臭気成分 初発濃度 SEKマーク評価基準
    臭気成分減少率
    測定方法
    官能併用 機器単独
    アンモニア 100 ppm ≧ 70% ≧ 80% 検知管法
    酢酸 30 ppm ≧ 70%
    メチルメルカプタン 8 ppm ≧ 70%
    硫化水素 4 ppm
    ピリジン 12 ppm
    アセトアルデヒド 14 ppm
    トリメチルアミン 28 ppm
    イソ吉草酸 約38 ppm ≧ 85% ≧ 95% ガスクロマトグラフ法
    ノネナール 約14 ppm ≧ 75% ≧ 90%
    インドール 約33 ppm ≧ 70%
  2. 官能試験:
    各臭気成分において、判定臭ガス(臭気強度2.0相当)と比較し、着臭および雰囲気臭の両方が同等又は弱と評価したパネルが6名中5名以上であること。

その他特記事項

SEKマーク評価基準では対象臭気成分ごとに官能試験と機器分析試験を行い、洗濯前後ともにいずれの基準にも合格する必要があります。アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールの4臭気成分については臭気成分減少率が機器単独基準を満たす場合、官能試験を省略することができます。

提出サンプル枚数:条件により異なりますので、お問い合わせください。

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