Test

摩擦堅ろう度(JIS L 0849)

概要

淡色のインナーと濃色のジャケットを着用した際、淡色インナー側の濃色ジャケット生地が触れた箇所に色が移ってしまうことがあります。
これは、着用中の摩擦作用によって、濃色のジャケットの生地の色が、淡色のインナーへ移ってしまったことによるものです。
このように、「摩擦」という作用は他のものへの汚染を引き起こすことがあります。
摩擦による汚染のしにくさを評価する方法が摩擦堅ろう度試験です。

試験方法はⅠ形(クロックメータ)法と、Ⅱ形(学振形)法があり、主にⅡ形が用いられます。

また、摩擦は乾いた状態(乾燥状態)と湿った状態(湿潤状態)の2種類で行います。
一般的に湿潤状態の方が結果が悪くなります。これは水を通して染料が移動しやすくなるためです。

摩擦堅ろう度は、衣類だけでなく、バッグやソファなど洋服と擦れることが多いものにもよく用いられる試験になります。

試験方法

摩擦試験機

Ⅱ形(学振形)法

  1. 試料から220㎜×30㎜の試験片を2枚採取します。
  2. 摩擦試験機にセットします。

  3. 摩擦用白綿布を摩擦子の先端に取り付けます。

  4. 2Nの荷重で試験片の中央100㎜の間を毎分30回往復の速度で100回往復摩擦します。

  5. 摩擦用白綿布の汚染をグレースケールで判定します。

試験結果サンプル

下表は試験結果のサンプルです。

試験項目 試験方法 試験結果
摩擦 JIS L 0849 Ⅱ形 乾燥 4級
湿潤 2-3級

QTEC基準

下表はQTEC基準(抜粋)です。

QTEC基準 ジャケット、コート類
試験項目 試験方法 試験結果
摩擦 JIS L 0849 Ⅱ形 乾燥 3-4級以上
湿潤 2-3級以上
QTEC基準 デニム
試験項目 試験方法 試験結果
摩擦 JIS L 0849 Ⅱ形 乾燥 3級以上
湿潤 1-2級以上

その他特記事項

必要試料サイズ:30㎝×30㎝

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